パルス電解用電源
* いわゆる”フリーエネルギー”と呼ばれるもののうち、(ほとんどは偽物であるが、)非常に確からしい、本当の新しい技術と考えられるテーマとして、水を特定の周波数のパルスによって電解すると、水素と酸素が異常に多く発生する、という現象を挙げることができる。(平成8年に特許さえ取得されている) これを検討するために、とりあえず
実験道具の電源部分を整備することにした。
(1) Trマルチバイブレーター方式:
トランジスター式マルチバイブレータは、低周波において、ロジックIC、555、オペアンプ発振器などと比べ、周波数、パルス幅共かなり幅広く可変できる。しかし、CR発振方式を用いる限り、周波数の安定度は十分満足いくものではない。(せいぜい3桁程度; 文献情報によると4桁以上必要)
マルチバイブレーターはトランジスタにエミッタフォロアを設け、波形がなるべくきれいな方形波になるようにした。 コンデンサーCはマイラフィルム・コンデンサーを使用。 抵抗RはR+VRに分割し、狭い周波数帯の微調整に対応できるようにした。
● 発振部の周波数測定結果:
1) 50%方形波として、 R1=R2= 22k+VR50k 、C1=C2
= C;
C=0.1μF: f = 100〜320Hz、 C=0.033μF: f
= 280〜900Hz、
C=0.01μF: f = 1000〜3200Hz、 C=0.0033μF: f
= 3.4k〜11.1kHz、
C=0.001μF: f = 10.0k〜33.2kHz、 C=200pF: f
= 52.5k〜229kHz
2−1) C1=0.47μF、 C2=0.01μF、 R1=R2= 22k+VR50k(R1はさらに+VR10kΩ+VR1kΩ);
f = 45〜120Hz、 Pw= 0.1〜0.45mS、 パルス幅の比(at.100Hz):1〜4%
2−2) C1=0.1μF、 C2=0.01μF、 R1=R2= 22k+VR50k(R1はさらに+VR10kΩ+VR1kΩ);
f = 190〜500Hz、 Pw= 0.1〜0.45mS、 パルス幅の比(at.200Hz):2.6〜9.2%(* Kanarevの公表値;0.29mS/4.8mS=6.04%)
2−3) C1=0.033μF、 C2=0.0033μF、 R1=R2= 22k+VR50k(R1はさらに+VR10kΩ+VR1kΩ);
f = 500〜1400Hz、 Pw= 0.03〜0.12mS、 パルス幅の比(at.1000Hz):3〜12%
** このうち、周波数としては、2−1)、2−2)、2−3)の条件が情報の条件(Iwata:約100Hz、Kanarev:約200Hz、
Mayer:約1kHz)をカバーする。
装置として組立てた結果は、電源電圧約17Vで、出力電圧0−5V(ピーク)可変。
方形波比7%、周波数206Hz、ニッケル板の浸漬部が約20×20mm、電極間距離15mm程度のとき、電流計による平均電流は40mA程度で、両電極から少しずつ泡が発生するレベルだった。パルス波にすると
当然、同ピーク電圧の50%方形波(120mA)に比べ電流は少なくなる。
周波数の安定度は、CK1秒の4桁カウンターでは一定のようであり、1秒以内でもオシロ波形のぶれは観測されず、結局、3桁程度と思われる。
しかし、コンデンサー容量の温度変化のため、長時間電流を流していると、数Hzの変動があった。
(2) 水晶発振−TTL分周方式:
特定の周波数の低周波の方形波を作る回路として、TTL ICで水晶発振(74LS00)、および、1/100分周(74LS390)した後、低周波リニアアンプで増幅する。周波数精度は6桁程度まで可能で、特注水晶を使用する。